どうもRooveです!!
『わかりやすい音楽理論解説』と銘打ったこの連載も、ついにコード(和音)について取り上げるところまできました!
コードを学ぶ際には、これまで学んできたことのすべてが活きてきますので、これまでの解説記事をご覧いただけていない方はぜひそちらを先にご一読ください!
この他にも、第2回でメジャースケールについて、
第3回でマイナースケールについて解説しています。
ドレミファソラシドの記号の覚え方と、メジャー・マイナー両スケールの覚え方を理解した方は、奥が深くて本当に楽しいコード理論の学習に進んでいきましょう!
コードを覚える前に、まず音程の数え方から理解しよう!
さて、コードについて学ぶ前にまず、音程について理解していきましょう!
下の画像を見てください。
Cメジャースケールにおいて、ドを基準として見た音程です。

ドから順に、1度、2度、3度と順々に数えられていきます。
ここで注意して欲しいのは、ドから見て、全く同じ音程のドの音は『1度』であるということです。『0度』ではありません。
よく、続くレの音が1つ次の音程だから1度であると誤認識をしてしまっている方が見受けられますが、レの音は2度となります。ここで正しく理解しておきましょう。
さて、スケール内の音は上記の通り「○度」という数え方であっさり解決できるのですが、スケール外の音についても数え方が存在します。
Cメジャースケールについて言えば、白鍵がスケール内の音で、黒鍵がスケール外の音になります。スケール内とスケール外とで明確に色が違っているので、わかりやすさ重視でこのままCメジャースケールで解説を進めていきます。

さぁ、ちょっとややこしくなってきましたね。まずは覚え方から先にお伝えしていきましょう。
・1度、4度、5度、8度
完全音程とされている音程です。『完全○度』という数え方をします。
(完全4度、完全8度など)
厳密に言えば、1度の音と同時に鳴らした際、振動数比が至って単純な整数比になっており、極めて協和度が高いため完全という言葉を冠するようになりました。要は、音の濁りがほとんどない、綺麗な和音となる音程が完全音程です。
ちなみに、1度と完全5度で成り立つコードが、ロックで多用されるパワーコードとなります。また、1度に対して完全8度は1オクターブ上の同音です。
・2度、3度、6度、7度
完全音程ではない音程は、基本的に長と短に分かれています。長○度、短○度という数え方をします。スケール内の音程は長音程で数え、短音程はスケール外の半音です。長音程に対して半音下の音が同じ度数の短音程となります。
・増音程と減音程
長音程よりも半音上の音は増音程となります。
また、完全音程より半音下の音は減音程、完全音程より半音上の音程は増音程となります。
増音程、減音程よりさらに離れた音程は重増音程、重減音程と呼ばれますが、現時点ではまだ覚えなくとも大丈夫です。いずれ解説していきますので、しばらくお待ちください。
・異名同音
黒鍵の部分をご覧ください。1つの黒鍵に、複数の度数表記がされています。これらは楽譜の書かれ方によって呼び方が変わってくるのですが、音としては全く同じ音です。このような音を異名同音と言います。
例えば、ある音の半音を表すのに、『♯』をつけるのか、『♭』をつけるのかで楽譜の書き方は変わりますよね。ハ長調の楽譜でレ♯と表記されていれば増2度ですし、ミ♭と表記されていれば短3度と呼ぶわけです。
最初のうちは半音まで数えずとも良いですが、コード理論を学ぶにあたり、いずれ必ず半音程を数えなければならない場面が出てきます。
可能であれば、早いうちから長短音程や増減音程についても理解してしまった方が後が楽です。僕も最初はこの辺りは全く理解できていなかったので苦労しましたが、使っているうちに慣れてきますので、ここは根気強く覚えてしまいましょう!
悪魔の音程として忌み嫌われてきた不協和音 - トライトーン
かつてのクラシックでは、必ず避けて通るべき不協和音というものが存在していました。それは1度と増4度(減5度)を重ねた音です。実際に聴いてみましょう。
どうでしょう、すごく複雑な気持ちになる響きではないですか?
1度と増4度の距離を見てみると、全音3つ分の遠さにある音であることがわかります。そのためこの音はトライトーン(三全音)と呼ばれ、中世ヨーロッパでは悪魔の音程として忌み嫌われていました。
調和のとれたハーモニーを重視する白人文化のクラシックにおいて、不協和音など言語道断。とにもかくにも邪魔者扱いされてきたわけです。
ですが、やがてクラシックは大きな転換を迎えます。
そのきっかけは奴隷制。
白人たちは、労働力として引き連れてきた黒人たちの音楽を耳にするようになったのです。
黒人たちの音楽は、白人たちが築き上げてきたクラシック音楽とは全く異なるものでした。彼らの音楽は、メロディーと歌詞が合わさることで、人の心を様々な感情に掻き立てるようなものだったのです。
黒人たち特有の音楽であるブルースは、時には不協和音もあえて混ぜてみることで、その後で綺麗な和音に戻った時にとても美しい響きを生み出すことを教えてくれました。
次第に、このトライトーンこそが楽曲に様々な色を吹き込むために重要であるということがわかってきたのです。
皆さんもぜひ覚えておいてください。不協和音は決して悪ではありません。
必要な場面であえてスケール外の音を使用してみたり、それこそトライトーンを使ってみることが、人々に楽曲の情景を伝える効果的な手段となり得るのです。実際にコード理論を学んでいくと、あえて不協和音程を使用しているコードにも出会うことになります。今から楽しみですね!
今回はコード理論を学ぶための準備で終わってしまいましたが、次回以降、本格的にコードについて解説していきますので乞うご期待ください!
それでは今回はこの辺で!!
また次回の解説記事をお楽しみに!!
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