どうもRooveです!
今回はよく使われるコード進行の一つ、順次進行について解説していきます!
順次進行は前回解説したカデンツと双璧を成すほど、現在のポピュラー音楽ではとてもよく見られる進行です。覚え方もとっても簡単なので、あまり難しく考えずにサクッと覚えちゃいましょう!
本解説はダイアトニックコードの仕組みと機能について理解されていることを前提として解説していきます。もし理解に不安がある方は、過去に解説した記事がありますので、そちらをご一読ください!
過去の解説記事はこちらから!
https://goodmusiclifestyle.com/category/music-theory/
順次進行とは?
ダイアトニックコードは、そのスケールの一番最初の音をルート音としたコードから順に、Ⅰ からⅦまで番号が振られています。順次進行とは、ある番号のコードを弾いたのち、一つ隣の番号のコードへと進行させることを言います。
つまり、Ⅲ→Ⅳと言った進行や、Ⅱ→ Ⅰ といった進行が順次進行です。
...たったのそれだけです。笑
とっても簡単でしょう?
順次進行はカデンツ進行と似て非なるもの!
順次進行は、カデンツのような和声学をベースとした理論ではないのですが、カデンツ進行と似た要素があります。
下の映像をご覧ください。
Cメジャー・ダイアトニックコードで、順次進行を活用して8小節でコードを組んでみました。
進行は以下の通りです。
1−4小節:Ⅳ→Ⅲ→Ⅱ→ Ⅰ →Ⅱ→Ⅲ
5-8小節:Ⅳ→Ⅴ→Ⅵ→Ⅶ→ Ⅰ →Ⅱ→Ⅲ
8小節目の最後のⅢを弾いた後でまた1小節目頭のⅣに戻ることで、延々とループさせることができる構成にしています。
やっていることは単純で、コードを順番通りに並べているだけなのですが、聴いていて気持ちの良いオシャレ感が生まれている気がしませんか?
実はこの順次進行、カデンツと似たような和声機能の推移をしているのです。
まず、Cメジャー・ダイアトニックコードの和声機能を再確認してみます。
Ⅰ:トニック
Ⅱ :サブドミナントの代理
Ⅲ :トニックの代理
Ⅳ :サブドミナント
Ⅴ :ドミナント
Ⅵ :トニックの代理、あるいはサブドミナントの代理
Ⅶ:ドミナントの代理
続いて、カデンツの一般的な進行を再確認してみます。
カデンツでは基本的に3種類の進行がありました。
トニックをT、サブドミナントをS、ドミナントをDとして...
T → D → T
T → S → D → T
T → S → T
でしたね!
それでは、ここでもう一度、順次進行について整理してみます。
僕が先ほど作ったCメジャーの順次進行を、番号ではなく和声機能で表記します。
1-4小節:S →T sub → S sub → T → S sub → T sub
5-8小節:S → D → T sub → D sub → T → S sub → T sub
お気づきでしょうか。
こうして和声機能で表記してみると、順次進行もカデンツの進行と大筋は外れておらず、T → S → Tの動きやT → S → D → Tのような動きを、代理コードを活用して行なっていることがよくわかります。
カデンツの響きが美しいとされているのであれば、この順次進行も響きが美しいはずなのです。なぜなら、機能上は同様の進行をしているのですから。
しかも、難しいことを考えずに一つ隣のコードを並べていくだけですから、これほど即戦力という言葉が相応しいコード進行はありません。
順次進行は和声学においては禁則とされている?
お洒落で気持ちの良い響きをしてくれる順次進行ですが、実は和声学においては禁則とされています。これは和声学で提唱されているカデンツとは大きく異なる点です。
和声学では、2つのパートの楽器や声が音を進行させるにあたり、同時に同じ方向へ進行して完全5度や完全8度を作る行為をあまり美しくない進行であると定義しています(並達5度、並達8度と言います)。どうしても2つのパートで完全5度や完全8度を作りたければ、反進行でハーモニーを作るなどの工夫をしなくてはなりません。
例えば2つのパートがあって、ド→レ、ソ→ラのように共に音程を上げて完全5度を作ってはいけない、ということです。やるのであれば、ド→レ、シ→ラのように、一方は上へ、もう一方は下へと反進行させて完全5度や完全8度を作らなければいけません。
その観点で見ると、順次進行はどうでしょうか。一つ隣のコードを弾くということは、コードを構成するすべての音が同じ方向へと進行していくことになります。確かに、和声学においては禁則だらけです。
ですが、響きは申し分なく美しい。
なので、ポピュラー音楽においては禁則など一切気にせずに誰もが使っています。皆さんもこの順次進行をご自身の楽曲に取り入れてみてはいかがでしょうか?
今回は順次進行について解説してみました。難しいギミックなど何一つなく、シンプルで使いやすいコード進行なので、作曲を始めて間もない方にとっては大きな即戦力となること間違いなしです!
これからも様々なコード進行について解説していきますので、次回の更新もお楽しみに!
ではでは〜!
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