楽曲制作をするためにはDigital Audio Workstation(以下DAW)ソフトが必要となりますが、数多くの種類が存在しており、これから音楽を始めたい初心者の方にとってDAWソフトの選択は最初にぶつかる大きな悩みです。
当サイトでは過去にDAWソフト選択をするうえで意識するべきことについて解説しておりますが、そこでは主にDAWを選ぶ際に大切なマインドについてお話ししており、各DAWの特徴にはあまり触れておりませんでした。
DAWソフトは皆さんがやりたい音楽に合わせて選定していくことがベストですが、各DAWの特徴がわからなければ、どれが自分のやりたい音楽に合っているのかなんてわからないですよね。
そこで今回は、一般的に『これを使っておけば間違いない』と言われているような、有名どころのDAWソフトの特徴について解説をしていきます。さっそく見ていきましょう!
大前提として、DAWソフトに大きな優劣は存在しない
まず、大前提として覚えておいて欲しいのは、各DAWソフトに大きな優劣は存在しないということです。
様々なメーカーがDAWソフトを販売していますが、これからご紹介するDAWはいずれも、作曲するうえで必要とされる基本的な機能は高いクオリティで備わっています。
ソフトウェア音源を使用したMIDI打ち込み、レコーディングやオーディオ編集、プラグインを活用したミキシング・マスタリングなどは十二分に行えますし、購入時点で最初からDAWに音源やプラグインが備わっているので、追加費用なしで楽曲制作を始める事ができます。
それぞれ得意とする部分は十人十色ですが、機能として他のDAWより致命的に劣っているようなことはあり得ませんので、そこはご安心ください。
つまり、その『得意とする部分』が自分のやりたい音楽にマッチしているかどうかを考えれば良いのです。性格診断や相性診断のようなものだと思ってもらえれば良いかと思います!
Digital Performer
まずは、大手音楽系メーカーであるMOTUがリリースしているDigital Performerからご紹介していきましょう。
Digital Performerが得意とするのは、チャンク機能と呼ばれるシステムにより実現する楽曲制作の効率化です。これは他のDAWにはない、Digital Performerだけが有している機能となります。
楽曲制作をするにはDAW上でソングファイル(一部のDAWではセッションファイルと呼ぶ。いわゆる楽曲データのこと)を立ち上げる必要がありますが、一つのソングファイルで1パターンの楽曲を制作するのが通常です。
例えば、4分間の楽曲を制作して、それがCMで起用されることになったとしましょう。急遽15秒版と30秒版、1分30秒版を作ってくれと言われたときに、一般的なDAWの場合はソングファイルをコピーして、それぞれで楽曲のエディットをしていく必要があります。
しかし、Digital Performerならその必要はありません。そのソングファイルの中に複数のシーケンスを立ち上げることができるので、各エディットへの移行や聴き比べが簡単に行えます。
MicrosoftのExcelを想像してもらえればわかりやすいでしょうか。Excelも一つのファイル内で、シート毎にタブを作成して複数のデータを管理できますよね。Digital Performerでは楽曲制作においてExcelと同じような管理が行えます。
言わずもがな、アレンジの仕事や商業での楽曲制作をするのに向いているDAWソフトです。また、Digital PerformerをリリースしているMOTUは音楽機器の開発・製作も行っており、ライヴパフォーマンスの場でもメインシステムとして採用されることが多いメーカーです。プロ層からは一定の支持を得ています。
将来的には商業音楽家として活動したいと考えているのであれば、Digital Performerは選択肢の一つとして十分に考えられるDAWソフトであると言えます。
購入するのに上位版や下位版が存在せず、パッケージが一つのみである点も高評価です。難しいことを考える必要がないので、消費者目線で見てもありがたいですね。現在リリースされているのはDigital Performer 10で、価格は65,000円です。
Studio One
続いて、PreSonusがリリースするStudio Oneをご紹介します。
Studio Oneの良さはなんと言っても、動作の軽さと感覚的に扱える快適な操作性です。
とにかくパソコンへの負荷が少ないので、そこまでハイスペックなパソコンでなくとも問題なく動きます。マシンにあまりお金をかけられない方は選択肢に入れておきたいところです。
また、操作の多くがドラッグ & ドロップで完結しますので、楽曲制作がとにかく早いです。初心者の方におすすめできるのはもちろんですが、数々のDAWを使ってきた上級者の方でも最終的にStudio Oneへ乗り換える方は多くいらっしゃいます。それほどまでに使いやすさを追求しているDAWです。
ミュージシャンだけでなく、役者関係の方も使用しているイメージがあります。実際、僕の周りではStudio OneをメインDAWとしている仲間が結構多いです。
購入価格が比較的安価であることもポイントです。いずれもダウンロード版で上から、Professional:43,593円、Artist:13,037円。また、無料版としてPRIMEもリリースされているので、試しに使ってみてから購入することもできます。
動作の安定性、快適な操作性、価格の安さから、初めてDAWソフトを購入する方にはかなりオススメしやすいDAWソフトです。
FL Studio
Image-LineがリリースしているFL Studioは、他のDAWに比べると少々異色のDAWソフトです。
とにかく『リズム』を重要視しているDAWソフトであり、楽曲制作のスタートはドラムパターンの構成を考えるところから始まります。もとよりHip Hop音楽を制作するのに特化したDAWとしてリリースされているため、特定のフレーズをループさせるようなビートメイキングを得意とする特徴があります。
ドラムトラックの制作に重きをおいているスタイルから、EDMジャンルにおいてもユーザーは多いです。有名なDJで言えば、故Aviciiや、現在飛ぶ鳥を落とす勢いで人気を集めているMartin Garrix、今や大御所のポジションとして活躍しているAfrojackなどが愛用者として知られています。
また、FL Studioの特徴の一つとして、購入後のアップデートが永年無料であることが挙げられます。
DAWソフトを使用するうえで切っても切り離せないのがアップデート。新機能を手に入れるためにバージョンを上げるか、現状を維持して楽曲制作を続けるかの選択を迫られる場面には何度も遭遇します。バージョンを上げる場合には当然、それに見合うお布施を要求されることになるわけです。
しかしこのFL Studioは、アップデートにお布施を要求してきません。追加費用がかからないのであれば、新機能を味わうのに迷う必要なんてありませんよね。DTMは何かとお金がかかりますので、これは本当に嬉しい要素です。
購入価格も、その方の用途に合わせて複数の価格帯のバージョンを用意してくれています。現在はSignature:32,940円、Producer:21,920円、Fruity:10,920円で展開されています。
Signatureに数多くのプラグインや音源、サンプルをバンドルしたセットも96,300円で販売されていますが、プラグインはサードパーティ製のもので優れたものが多く存在していますので、個人的には不要かなと思います。
注意が必要なのは、Fruity Editionはオーディオトラックを扱う事ができない点です。ボーカルや楽器などのレコーディングも行いたい場合にはFruityは向きません。誤って購入しないようにしましょう。
Hip HopジャンルやEDMジャンルが好きな方や、ビートメイカーとしてトラックメイキングをしていきたい方にオススメする事ができるDAWソフトです。自分が憧れているDJやトラックメイカーが使用しているのであれば視野に入れてみると良いでしょう。
Ableton LIVE
AbletonがリリースしているLIVEは、近年どんどんシェアを広げてきているDAWソフトです。EDM系DJに広く愛用されている印象があります。
海外ではSkrillex、MarshMello、Tiesto、日本ではDJ FUMI★Yeah!さんやm-floのTaku Takahashiさんなどが愛用していらっしゃいます。ご覧いただいた通り、EDMやTrapミュージックなどのエレクトロジャンルで愛用者が多いDAWです。
その理由はなんと言っても、感覚的な操作性と特殊なサウンドエフェクトの多さです。DAW購入時点で最初からできる事が多く、そこまで楽曲制作の知識がなくとも、なんとなーくいじっているだけでイケてるサウンドの楽曲に化けてしまったりします。初心者の方でも簡単にプロっぽい曲が作れてしまうので、もっとも創作のモチベーションを維持しやすいDAWソフトかもしれません。
エレクトロに傾倒したスタイルのDAWではありますが、もちろんオーディオレコーディングも可能なので、バンドマンの方や商業コンポーザーの方でも愛用者は多いです。個人的にはいま一番オススメできるDAWです。
一部のレビューでは音質が悪いという声が目立ちますが、全くそんなことありませんのでご安心を。ちゃんと良い音で創作することができますよ!
価格設定は3段階に分かれており、上から順にSuite:80,800円、Standard:48,800円、Intro:10,800円です。Suiteまで来ると楽曲制作に困ることはほとんどないですが、Standardでも十分に制作する事ができます。
FL Studioとは違い、もっとも下位にあたるIntroでもオーディオファイルは扱えるので、あまりDAWにお金をかけられない方はこちらの購入を検討してみても良いと思います。
Pro Tools
AVIDが提供するPro Toolsはレコーディングスタジオなどで広く導入されていることで有名です。もとよりエンジニアに愛用者が多く、レコーディングや波形編集に強いDAWソフトです。僕も以前はメインDAWとして使用していました。
Pro Toolsは割り当てられるショートカットキーが他のDAWよりも少し特殊で、オーディオの扱いに特化したものが多いです。良くも悪くもエンジニアが快適に使えるような構造を意識しているDAWだなと感じます。
例えば、一つのオーディオをある地点で分割し、分割地点より後ろのオーディオを削除するシーンに出くわしたとしましょう。
通常のDAWであればオーディオを分割するショートカットキーは標準装備されていますので、分割してから、その後半のオーディオを指定して削除することになります。
しかし、Pro Toolsの場合は『オーディオを分割し、分割地点より後半(あるいは前半)をカットする』というショートカットキーが存在しています。不要部分のカットまでをまとめて一つのショートカットキーで行えるので、オーディオのエディットにかかる時間を短縮することができるのです。
他にも、波形の書き換えが容易に行えるので、リップノイズなどの対処も早いです。プラグインに頼らずにノイズを処理できることは、ご使用のPCマシンのCPU負荷を抑えることにもつながりますので、エンジニアの方には必須の機能だと言えます。
ネット上では「MIDI編集が弱くて打ち込みにくい」といったレビューをよく見かけますが、全然そんなことはないです。過去には確かに使いづらかったりもしましたが、現在は他のDAWと遜色ないほどにまで改善されています。
Pro Toolsを使用するメリットとして、『使っているだけでステータスになる』ということが挙げられます。僕もあまり認めたくはないですが、こればかりは音楽業界に確かに横たわっている現実です。
と言うのも、ほとんどのスタジオでPro Toolsが使われているので、楽曲の編集やミキシングなどを依頼するにあたり、こちらもPro Toolsを使用していれば楽曲データのやり取りが手間にならずに済むのです。それはスタジオから喜ばれることに直結します。
逆もまた然りで、他のスタジオから楽曲編集の依頼を受けるにあたり、Pro Tools同士でやり取りが行えることがわかれば、そのスタジオから継続して案件が回ってくる可能性は高いです。(もちろん制作のクオリティが高いことが大前提ですが)
ただし、これはあくまで本格的に商業音楽家として活動する場合の話です。趣味としてDTMを楽しむだけであれば、Pro Toolsは選択肢から外してしまって大丈夫だと思っています。
何しろDAWそのものの購入価格も高いし、アップデートにかかるお布施の要求額も高い上に、PCのOSをアップデートするとすぐについていけなくなってしまう。在宅DTMerの制作意欲を削いでくるような要素がとにかく多いのです。
Pro Toolsを愛用しているプロのエンジニアやミュージシャンは、PCのOSの管理を適切に行いながら使用しています。きちんと環境管理ができるのであればこの上なく強いDAWですが、趣味で楽曲制作をやりたい方にとってはもっともオススメできないDAWです。
とはいえ、Pro Toolsを強くオススメしたい方もいらっしゃいます。それはミキシングやマスタリングなどのエンジニア活動をしていきたいと考えている方です。オーディオ編集においては右に出るDAWはありませんので、その場合はぜひPro Toolsを使用してみてください。
価格設定も特殊で、DAWソフトの中では珍しくサブスクリプションを導入しています。通常版であれば月額3,500円、上位版であるUnlimitedで月額9,450円です。
永年ライセンスも用意されており、通常版は70,800円で買い切ることができます。月額で支払う事なく永続的に使用する事が可能なので、長期的に使っていきたい方はサブスクリプションよりもこちらがオススメです。ただし、アップデートが発生した場合は別途お布施が必要ですのでご注意ください。
なお、Unlimitedは現在は永続ライセンスはなく、サブスクリプションでのみ販売がされているようです。
価格設定などを見てもやはり趣味向けではないので、購入の際はご注意ください。
Cubase
知らない人はいないであろう、Steinbergがリリースしている大御所DAWソフト、Cubaseをご紹介いたしましょう。
Cubaseは日本においてもっともシェア率が高いDAWソフトです。それには、日本特有の文化であるボーカロイドの存在と、日本を代表するトッププロデューサーである中田ヤスタカ氏の存在が大きく寄与しています。
Cubaseは、ボーカロイドを制作しているYAMAHAが公式に互換性があると発表しているDAWソフトです。なので、ニコニコ動画界隈のボカロPさんにはCubaseユーザーが多い印象があります。
また、きゃりーぱみゅぱみゅさんやPerfumeさんのプロデュースで知られる中田ヤスタカ氏が愛用しているDAWとしても有名です。日本のエレクトロ音楽を発展させた立役者が使っているDAWとあっては、多くの方が「これを使っとけば間違いないな」と感じたのは言うまでもありません。とにかく飛ぶように売れたDAWソフトなのです。かく言う僕も初めて購入したDAWはCubaseだったりします。
Cubaseが優れているのはショートカットキーの豊富さと、それによるMIDIのステップ入力の速さです。定期的にマイナーチェンジや新機能をリリースしてくれることも評価できる点でしょう。
楽器が弾けない方にとって心強い味方になってくれるDAWソフトで、PC用キーボードだけで素早くMIDIを組み上げることができます。僕がこれまで使用してきたDAWの中で、Cubaseを超えるMIDI打ち込みの快適さを成し得ているDAWは今のところありません。
また、目新しい機能が定期的に発表されていることも、メーカーの意欲が窺えて好感が持てます。事実、Cubase以上に機能があるDAWソフトは存在していません。
もちろん、更新が多けりゃいいってもんでもないのですが、少なすぎると単純にメーカーの展望を心配してしまいます。ユーザーに安心感を与えてくれるというのはDAW選択をするうえでは大切な要素です。
価格も至って一般的で、「まぁこれくらいするよね」っていうような業界スタンダードではないかなと思っています。Pro:62,700円、Artist:35,200円、Elements:13,200円です。
個人的にはStudio Oneと同じくらいオススメできるDAWです。ボーカロイドを使用した楽曲制作がしたいのであればCubaseを、価格を安く抑えたいのであればStudio Oneを検討してみると良いのではないかなと思います。
ABILITY
インターネット社からリリースされているABILITYは、今回ご紹介するDAWソフトの中では唯一の日本国産のアプリケーションです。新進気鋭のDAWソフトですね。
元々はSinger Song Writerという音楽編集アプリケーションだったのですが、大幅な改変・改善が施され、ABILITYとして生まれ変わりました。
ユーザーインターフェースの配色等はやや簡素な印象はありますが、そのためかPCにかかる負荷もかなり少なく、快適に動作するという声も少なくないです。十分見やすい画面ですし、ユーザーインターフェイスはそこまで大きな問題ではないですね。
他のDAWに比べてリリースから年月が経っていないためか、やや機能の充実性は他のDAWより見劣りしてしまう部分はありますが、日々マイナーチェンジを繰り返しておりますので、今後もっと素晴らしいDAWに化けるのではないかという期待があります。
ただ、これはあくまで充実性の話です。レコーディングや打ち込みなどの基本的な機能は他のDAWと同等のレベルで行えますので、DAWとして劣っているわけでは決してありません。たくさんの機能があってもほとんど使用しないものもありますし、DTMerのなかにはあえて機能が少ないDAWを選ぶ方もいらっしゃいます。
ABLITYにも他のDAWと同じくいくつかのバージョンがありますが、僕は断然ABILITY PROをオススメします。なぜなら、ABILITYの魅力はPRO版にのみ付属しているサードパーティー製のバンドルだからです。
ABLITY PROには、一流メーカーであるNative Instrumentsの代表バンドルKompleteのSELECT版が付属しています。Kompleteは僕が追加音源として最もオススメしているシリーズで、プロのトラックメイカーたちも愛用している素晴らしい音源・プラグインバンドルです。
僕も制作する楽曲にはいつもKompleteに含まれている音源を使用していますが、必ず使いたくなってしまうほどのハイクオリティなサウンドが、ABLITY PROには最初から付属しています。
Komplete SELECTはNative Instruments公式サイトにて定価で買うと25,850円ですが、ABILITY PROはダウンロード版で42,000円です。DAWそのものの価格は単純計算で16,150円になります。もちろん、DAWとしての機能は申し分なく良いです。これをメリットと言わずしてなんと言いましょうか。
予算をあまり出すことができないなかで、DAWだけでなく音源も良いものを使いたいと考えている方はABILITYの購入を検討してみると良いかもしれませんね!
Cakewalk
BandLab TechnologiesがリリースしているCakewalkは、Windows専用DAWソフトとなります。このDAWは数々の苦労を乗り越えて再誕したアプリケーションとして業界では超有名です。
かつては、Cakewalkという音楽メーカーが存在していました。そのCakewalkが提供していたプロユースのDAWソフトがSONARと呼ばれるものです。
SONARといえばCubaseやPro Toolsと肩を並べるほど人気のあったDAWで、当時は愛用していたプロミュージシャンもすごく多かったと記憶しています。
Cakewalk社は音楽機材メーカーとして有名なRoland社と業務提携をしておりましたが、次第にRolandの子会社という位置づけで事業を展開していくようになります。しかし、RolandがCakewalkの株式をGibson社へすべて売却。名実ともにGibsonの子会社になったわけです。
Gibson社といえばレスポールギターで有名ですが、パソコンのみで音楽が作れるような時代に差し掛かると、エレキギターの販売数は世界的に激減していきました。当然Gibson社もその煽りを受けており、経営不振に陥った同社は2017年、破産申請を申し入れたのです。歴史あるSONARの販売もその時点で完全に打ち切りとなりました。
しかし、SONARの物語はここで終わりではありません。シンガポールに拠点を置くBandLab Technologies社が、Cakewalk社のSONARのノウハウを全て吸収し、復活させて世にリリースしてくれたのです。新たな門出にはかつての販売メーカーの名がそのまま冠され、CakewalkというDAWソフトが生まれました。
Cakewalkは、かつてのSONARの最上位版であるSONAR Platinumと同等の機能が解放されています。異なっているのはサードパーティ製の音源が付属しなくなった事くらいで、できることはSONAR Platinumと変わりはありません。
また、驚くべきは、そのプロユースのDAW機能のすべてが無料で解放されているということ。Windows PCを使っているのであれば、超本格的なプロ仕様のDAWが無料で使えてしまうのです。
音楽を始めるにあたり初期費用をそこまで大きく割くことができない方は、そのファンドはパソコンやオーディオインターフェイスなどの機材にまわし、DAWはCakewalkを使用する、というのも良いでしょう。
Logic Pro
最後を飾るのは、AppleがリリースしているプロユースDAWソフト、Logic Proです。こちらはCakewalkとは異なり、Macでのみ動作するDAWです。私Rooveが愛用しているDAWでもあります。
Logic Proについて語り出すと止まらなくなってしまうので、他のDAWと平等の温度感になるように少し抑えめに語ります。笑
Logic Proは、DAWそのものの機能はそこまで特筆するようなポイントはありません。Logic Proでできることは他のDAWでも大体できてしまいます。それでもLogic Proを愛用する人が多いことの一番の理由は、メーカーがAppleであることに他なりません。
別にブランドで優越感に浸りたいわけではないのです。
何が言いたいかというと、Mac専用DAWであり且つ、供給元がMacを開発しているAppleであるわけなので、DAWとPCの相性が抜群に良いのです。とにもかくにも動作が安定しています。音源を立ち上げた瞬間にフリーズ&シャットダウンしてしまうようなトラブルは本当に少ないです。
また、iPhoneやiPadで動作する無料DAWアプリ、GarageBandとも互換性があるので、外出中にGarageBandで制作した楽曲をそのまま自宅でPCに取り込み、Logic Proで続きから制作を再開することができます。この連携プレーはさすがAppleといったところでしょう。
パッケージが別れていないうえに、価格が安いことも大きな魅力です。Logic Pro Xはフルバージョンで24,000円ですので、通常のDAWよりも比較的お手頃なお値段だと言えます。
Macユーザーの方でDAW選択に悩んでいるのであれば、Logic Proは十分に選択肢になり得ます。当サイトでは僕がLogic Proのすべてを語りまくっている記事もありますので、興味があればそちらもぜひご一読ください!
【終わりに】みんなちがって みんないい
いかがでしたか?
それぞれのDAWの特徴をざっくりお伝えしてきましたが、色合いの違いはなんとなく伝わりましたでしょうか。
冒頭でも少しお伝えいたしましたが、各DAWソフトは得意とする部分に違いはあれど、基本的な機能に差はありません。なので、単純に自分の肌に合うかどうかで選ぶのが良いのではないかと思っています。
好きなアーティストが使っているから。やりたいジャンルに強いから。単純にユーザーインターフェイスがかっこいいから。お金がかからないから。
どんな理由でも良いです。楽曲制作するうえでの相棒を選ぶわけですから、ご自身が納得できる理由であればそれがあなたにとって最良のDAWソフトです。この記事が、皆さんの音楽性に合うソフトを見つける一助となってくれれば幸いです。
それでは今回はこの辺で!
また次回の更新をお楽しみに!