ボーカルレコーディングをしていて、録り音にノイズが入ってしまう現象に悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
特に宅録で頑張っていらっしゃる方は、防音環境がなかなか整わなくて苦戦されている方も多いのではないかと思います。
家族たちの部屋のドアを閉める音などの家庭音、歌声などが壁にぶつかって跳ね返ってくる反射音、ボーカルの発声時の息がマイクにぶつかることで起こるポップノイズなど、気をつけなくてはならない項目は多いです。
それらを防ぐために吸音材やポップフィルターを買ってみたり、段ボールと不要な布類を組み合わせて自作のリフレクションフィルターを作ってみたりと様々な工夫をされているかと思いますが、想像していたような良い効果が得られなくてガッカリしてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな宅録ミュージシャンのノイズの悩みを解決できるアイテムを見つけましたのでご紹介させていただきます!
僕も実際に使っておりますが、なかなか良い効果を得られています。きっと皆さんも気に入ると思いますよ!
Alctron PF8がノイズ対策オールインワンの素晴らしいアイテム
さぁ、今回ご紹介するのはAlctron Audio社が開発・販売しているPF8というアイテムです。
これがノイズ対策にどう良いかは、写真を見ていただければよくわかります。
ご覧の通り、マイクにすぽっと被せるように形作られた吸音スポンジです。
これまでの宅録環境でのマイクセッティングの定番としては、リフレクションフィルターとポップフィルターの2つのアイテムを使って、マイクの周りに吸音材を配置するやり方が主流になっていました。
このPF8は、それらを1つでまとめて解決してしまうアイテムです。
なんで今までこれに気がつかなかったんだろうって僕も思いました。
吸音スポンジをマイクに被せてしまえば一発解決じゃないですか。
実際に開封してみるとこんな感じです。
スポンジは吸音機能の高い材質のものを使っているようで、結構しっかりしています。
少々硬めの、素材が程よく密集しているタイプのスポンジです。
ポップフィルター部分は取り外しができるので、マイクの位置のズレを確認した上で使用することができます。
お気に入りのポップフィルターがあるのなら、PF8のものは外したままにしておいて、ポップフィルターだけご自身のものを使うことも可能です。
また、マイクホルダー付きなのも嬉しいところですね。
モノによっては細いフォルムのマイクも存在しているので、そうなるとスポンジがうまくはまらない可能性があります。それを防ぐためにもう1段階細いホルダーをつけてくれているようです。
実際にセットしてみましょうか! 今回は日本のメーカーであるAudio Technica社のコンデンサーマイク、AT4040に取り付けたいと思います。
我が家ではもう長いこと活躍してくれているおじいちゃんマイクです。
Amazonの注文履歴を見たら、購入したのは2014年4月15日でした。
6年間も壊れずに動いてくれてありがとう!
さて、このAT4040にAlctron PF8を取り付けてみます。
ショックマウントの上に取り付けたマイクにPF8を被せるというよりは、PF8を装着したマイクをショックマウントの上に置く、といった感じです。
マイクヘッドが塞がらないようにPF8を装着すると、結構奥までマイクを差し込む必要があります。マイクはPF8にしっかり固定されているので、それをショックマウントに取り付けようとするとマイクが少し浮いてしまうんです。
なので、ショックマウントの上に置く、と言った表現がベストかなと思います。
専用ポップフィルターを取り付けるとこんな感じです。
続いて、僕が愛用しているポップフィルター、YANMAI社のPS-1を取り付けてみました。
見た目的にも悪くないですね!
マイクをしっかり外音から守ってくれている感じがして、これは期待できそうです!
実際にレコーディングして違いを聴き比べてみる
なんとなく仕組みは分かったけど実際効果はどうなのよ、と思いますよね。
そんな皆さんの疑問に応えるべく、私、拙いながらも歌をレコーディングしてみました。
今回録音したのは以下の3パターンです。
Aパターン:AT4040にポップフィルターPS-1のみを取り付けたケース
Bパターン:AT4040にPF8を取り付けたケース
Cパターン:AT4040にPF8を取り付け、さらにポップフィルターをPS-1にしたケース
なお、レコーディングはこの場所で行いました。
我が家のリビング&ダイニングです。
ご覧の通り、正面には木材のドア、四方は壁に囲まれています。
また、天井には段差があるので音の跳ね返り方も複雑です。
吸音材を壁一面に貼り付けてでもない限り、まず間違いなくレコーディング現場としては選ばないような場所にあえてマイクを設置してみました。
なお、オーディオインターフェイスはRoland社のUA-55、DAWはLogic Pro XでRecしています。
流行に乗ってみようと、瑛人さんの『香水』のサビ部分だけを歌うことにしました。
なお、リリース用途ではなく、あくまで実験用途で歌ってますので、歌唱技術やブレスの位置については、思うことがあっても暖かい目で見ていただけると幸いです。(一部歌詞間違いが発生してます、申し訳ありません!)
それでは、一つずつ聴き比べてみてください!
・Aパターン PF8未装着、ポップフィルターあり
・Bパターン PF8のみ装着
・パターンC PF8 + ポップフィルター
いかがでしょうか。
聴いてみると、AよりもBとCの方が音が真ん中でどっしりと録れている印象がありますよね。
Aの場合はポップフィルター以外は何も装着しておらず、マイクはほぼ丸裸の状態です。
直接口から発せられている音だけではなく、周辺からの反響音も一緒に収録してしまうため、音が真ん中だけでなく、外側に広がって逃げてしまう印象があります。
特に高域の音が反射したときに目立ちやすいので、ボーカルミキシング時にはこのノイズにとことん悩まされることになります。
しかし、BとCは吸音材がマイクを囲っておりますので、反射音はまず拾いません。
純粋に声だけが録れるで、余計な音がなく真ん中で鳴っているように聴こえるのです。
これは曲中の主役であるボーカルのレコーディングにおいては本当に大切なことです。
続いてBとCの違いですが、ここはもう好みでしょうか。
個人的にはPF8のポップフィルターはやや弱い印象があるので、ポップフィルターだけ金属製のものを使うようにしていきたいと思っています。
とにかく言えるのは、PF8があった方が録り音がクリアになるということです。
このアイテムが意図している効果は十分に感じれる商品だと思っています。
一点だけご注意いただきたいのは、マイクを吸音スポンジで囲うことで低域の篭りが発生してしまうことです。
外音を遮断するということは、スポンジ内部の音も外には逃げていかない事になります。
歌い方によっては低音の篭りが凄まじい場合もあるので、その場合はミキシング時にEQで調整してあげる必要があります。
低音が多少篭るくらいならEQでどうとでもできますが、部屋の反響音を拾ってしまうと、それを排除するためには特殊なプラグインが必要です。
ミキシング時の負担を減らすことを考えると、やはりレコーディング環境を整えておくことは本当に大切です。
これだけ優れたアイテムなのに、意外と低価格
さぁ、ここまでAlctron PF8の魅力をお伝えしてきましたが、購入を検討し始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
となると、気になるのはこのアイテムのお値段ですよね。
その点もご安心ください。そこまで高価な買い物ではありません。
価格はAmazonでの購入で6,880円です。
類似の商品でKAOTICA Eyeballがありますが、そちらは購入価格が28,000円ほど。
PF8はその半額以下です。
KAOTICA Eyeballはその分、遮音性がかなり高いわけなのですが、その値段の高さから購入を躊躇する宅録DTMerも多くいらっしゃいました。
それに比べれば、6,880円は素晴らしい価格設定です。
アイテムとしての性能も良いし、コストパフォーマンスは抜群だと思っています。
【終わりに】Alctron PF8は宅録DTMerの強い味方! 持っておいて損はない!
いかがでしたか?
Alctron PF8について解説させていただきましたが、レコーディング時のノイズ対策に効果的なアイテムでありながら、低価格を実現しているコスパ最強商品であることがわかりました。
今回のレビューを読んで購入を決めた方は、各種通販サイトのリンクを貼っておきますので、ぜひPF8を実際に使ってみてください。録り音が大きく改善されるので、驚くほどミキシングがしやすくなります。
今後も在宅DTMerに役立つアイテムがあればご紹介させていただきますので、そちらもお楽しみに!
それでは今回はこの辺で!