どうもRooveです!
前回に引き続き、DTM環境の構築に関する解説をしていきます!
前回から続けてご覧いただいている方は、数あるDAWの中から右腕とするものを決めた段階まで来ていることと思いますが、今回はついにメインマシンとなるパソコンを選んでいこうと思います!
パソコンを選ぶ際にはまず、自分が選んだDAWソフトがどのOSで動くのか、また、最低限どれくらいのスペックが必要なのかを確認しなければなりません。ひとつひとつ見ていきましょう。
二大OSであるMacとWindowsの違い
リリースしている会社も違えばその歴史も違うMacとWindows。
それぞれ得意とすることも違ってくるので、DTMにおいてどちらを選ぶ方が良いのかわからなくなる方が多いと思います。
せっかくなのでこの場でその疑問はすっきり解消してしまいましょう!
Macはクリエイター向きで、Windowsはビジネス向き
MacとWindowsの最大の違いは、機能とか操作性よりもまず制作された目的・用途です。
Macは長年クリエイターたちから愛されていました。そのため、クリエイターが作業しやすいようにOSも設計されています。マシンパワーを使用する際、ユーザーが指示したことだけに処理能力を集中してくれる特徴があるのです。
余計なことに力を使わず、音楽なら音楽にのみ、動画編集なら動画編集にのみ力を使ってくれるので、自分のやりたいことをストレスフリーにこなしてくれるわけです。クリエイターがMacを愛して止まない最大の理由はここにあります。
一方のWindowsは、ビジネスにおいてベストなパフォーマンスを発揮することを念頭において作られたOSです。
ビジネスにおいて素晴らしいとされるのはマルチタスクに物事を処理すること。つまり、マシンパワーをある程度分散させて、複数の処理を同時に行うことに特化したOSなのです。
ビジネスマンにとってこれほど素晴らしい機能を持ったOSはないのですが、クリエイターにとってもベストかというと、少し首を傾げざるを得ません。
特にDTMは、楽曲を完成させるにあたり約3~4分間に複数の音を重ねて鳴らす必要があるわけで、それだけ処理にパワーが必要になるわけです。Windowsの場合は、音楽に集中したいのに、音楽以外のことに力を使われてしまい、DAWソフトの処理が遅くなってしまうことも考えられるということです。
こうしてみると、DTMに特化したマシンの使い方をするのであればMac一択であるように思えますが、果たして本当にそうでしょうか?
MacとWindowsではマシンの金額に大きな差がある!
少し話をOSの枠からはみ出して考えてみます。
MacOSを搭載したマシンはApple社でのみ販売がされています。言ってしまえば独占企業です。
また、Macは長年成長を続けてきたことでブランド力が培われています。そのためか、コアなファンが多いのでブランド価格で販売しても売れてしまうのです。
Appleのパソコンを買う場合はとにかく予算を圧迫してきます。これは音源やプラグインを買い足すことが多いDTMerにとっては痛い話です。
対してWindowsOSは、供給元のMicrosoft社がWindowsOSのみの販売もしているので、同OSを搭載したPCはMicrosoft社だけでなく、多くのメーカーから販売されています。WindowsOSを搭載したPCが各社から販売されるということは、OSではなくパソコン本体の価格において競争が発生するということです。
なので、Macマシンとほぼ同等のスペックのWindowsマシンが、Macの半額以下の金額で販売されているケースが多々あります。これは出費がかさんでしまうDTMerにとっては嬉しいはずです。
フリープラグインの豊富さが違う
DTMを始めると、誰しもが次第にプラグインを充実させたくなってきます。しかし困ったことに、プラグインは集めようとすると結構な額のお金がかかってしまうんです。
なので、フリープラグインを探してダウンロードすることから始める方も多くいらっしゃるのですが、MacとWindowsではこのフリープラグインの豊富さに雲泥の差があります。
Macは上述の通りAppleでのみ開発・販売がされています。それはつまり、Macマシンに不具合が出た場合は問い合わせがAppleに集中するということです。
マシンが不具合を起こすリスクとして最たるものが、ネット上でダウンロードしたものに隠れていたウイルスに感染することです。Appleはそれを防ぐために、Macに何かしらのアプリケーションをインストールするには、Appleが定めた基準をクリアしていなければダウンロード自体ができなくなるようなセキュリティを作ってしまったのです。
ユーザーとしては自衛機能があると余計な心配をしなくて済むので安心なのですが、フリープラグインを提供する側からすると、毎回このセキュリティを気にしながらプラグイン制作をしなくてはならないので結構めんどくさいわけです。
一方のWindowsは、余計なセキュリティは設けておらず、フリープラグインの導入も思いのままです。当然、プラグイン制作側もインストールしてもらえるならたくさんのプラグインを作ります。
結果、MacよりもWindowsの方がフリープラグインが充実してしまうような状況が作られてしまった、ということです。
ただ、これはそこまで大きな問題ではないと僕は思っています。というのも、DAWに初期搭載されているプラグインは結構優秀で、フリープラグインをたくさん導入しなくとも済むことが多いんです。
そうでなくとも、有名なプラグインメーカーが定期的に有料プラグインを無料配布していたりするので、そちらを導入してしまった方が、クオリティの高いプラグインだけを揃えることができてパソコンのストレージ容量を圧迫せずに済みます。
もちろん、有料プラグインはほとんどがMacでも導入可能です。
下手にウイルス感染のリスクを上げてしまうよりは、一流メーカのプラグインだけを拡充した方が良いに決まってますよね。僕もいつもそうしています。
無料配布やディスカウントを頻繁に実施してくれる素晴しいメーカーもありますので、フリープラグインのためにOS選択を決断することはしないようにしましょう!
CPUやメモリ、ストレージなど、DTMに最低限必要なスペックは?
続いて、マシン決定において重要な判断基準となるスペックについて話をしていきます。
スペックを比較する際にはCPU、メモリ、ストレージの3つに着目すると良いでしょう。
CPUの考え方
CPUとは、PCの頭脳となる部分のことです。『intel デュアルコア i7 』とかよく見かけると思いますが、まさしくそれをCPUと呼んでいます。
CPUにおいて大切なのはコア数とバージョンです。
コア数とは『デュアルコア』とか『クアッドコア』とかのことです。コア一つを頭脳だと考えたときに、それがいくつ搭載されているのかを表しています。デュアルであれば頭脳2つ分、クアッドなら4つ分ということですね。
続いてバージョンは、頭脳の新しさを表しています。新しければ新しいほど、マイナーチェンジが加えられて優秀になっていると思って大丈夫です。
ただ、Macbook 12インチなど、マシンスペックを求めていないような機体はcoreMなどの低ランクCPUが搭載されている場合がありますので、購入前にintelの公式サイトなどでバージョンとその性能は確認しておいてください。そこそこの頭脳が2つあるのと、優秀な頭脳が2つあるのとでは処理能力は大きく違ってきます。
DTMにおいては、最低でもデュアルコアi5は欲しいところです。ただ、これはグレードが高ければ高いほど良いので、予算に余裕のある限りハイランクのものを選びましょう。
メモリの考え方
メモリは、言ってしまえばPCにおけるCPUの作業部屋のようなものです。これも容量が大きければ大きいほど良いということになります。先のCPUよりもこのメモリの方が大切かもしれません。
従業員2名が作業をする場面を想像するとわかりやすいでしょうか。
作業スペースが狭すぎた場合、どんなに優秀な従業員たちが業務を行ったとしても、窮屈すぎてあまり良いパフォーマンスは生まれません。
逆に、作業スペースが十分に確保できるのであれば、従業員たちがそこそこの処理能力しか持っていなくとも効率よく立ち回れるはずです。
PCでも同じことで、メモリ容量を十分に確保できるのであればCPUが多少弱くとも快適にDTMをすることができます。こちらも予算の許す限り底上げした方が良い項目です。
DTMにおいては、メモリは16GBは欲しいところです。最低でも8GBは確保してください。8GBにするのであれば、CPUはクアッドコアi7くらいまでグレードアップした方が良いでしょう。
ストレージの考え方
ストレージとは、PCに様々なデータを保存するための容量のことを指します。メモリと同じくGB(ギガバイト)や、良いものだとTB(テラバイト)で表示しますが、メモリとは全くの別物であるので注意してください。
ストレージはPC選択において、そこまで重要視しなくても良い唯一の項目になります。なぜなら、外付けのハードディスクやメモリースティックが格安で販売されているからです。
ストレージにおいては、HDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)の2種類のタイプが存在しています。
細かい説明を省いてざっくり説明するならば、SSDの方がデータを呼び出すのに電力をあまり使わないうえ、呼び出し速度が段違いに早いです。ストレスなく作業をするならSSDは必須だと言えます。
ストレージについては、多ければ多いに越したことはないですが、SSDで256GBもあれば十分です。128GBだとやや心許ないですが、それでもやれないことはありません。
今は外付けHDDが2TBで8,000円という破格で販売されているような時代です。足りないと感じたら増やす、という考え方で問題ありません。要するに、後でどうとでもなるので心配無用です。
Roove的DTM用メインマシンの選び方はこれだ!
さて、上記を踏まえた上で、僕が考えるベストなパソコン購入の考え方をご紹介いたします。
メインマシン購入にコストをかけられる場合とそうでない場合とに分けておりますので、ご自分に合う方を採用してみてください!
大前提として、DAWの対応OSが指定されている場合はそれに従うこと!
まずはご自身が選んだDAWの対応OSを確認しましょう。DAWによってはMacのみに対応、Windowsのみに対応しているものが存在しています。
みなさんの目的に合うDAWが対応OSを指定しているのであればそれに従うしかありませんので、そこは潔く合わせましょう。パソコンを選ぶより先にDAWを選んでいただいたのはこれが理由です。
ただ、ほとんどのDAWはMacとWindowsのどちらにも対応しているものばかりです。もしご自身が選んだDAWが両対応だった場合は、以下の考え方でPCを比較検討していきましょう。
パソコン購入にコストをかけられるならば、なるべくMacを買おう!
クリエイティブな活動に取り組むことになるので、やはり購入するべきはクリエイター向けのマシンです。迷わずMacを買ってください。
スペックはCPUがクアッドコアi7以上、メモリが16GB以上、ストレージがSSDで256GB以上あれば申し分なく本格的な活動ができます。必要に応じて外付けストレージも購入しておけばもう怖いもの無しです。
ノート型を選ぶかデスクトップ型を選ぶかはお好みで。外に持ち出す機会が多い方はノートを選べばいいし、あまり持ち出しはしたくないのであればデスクトップを選べば良いと思っています。
新品で購入しようと考えている方は、OSのバージョンにも注意してください。あまりに新しすぎると、DAWソフトの方がそのOSのバージョンに追いついていない可能性があります。
不安であれば中古の美品を購入するのも手です。中古で購入する際は前年のモデルのものを購入しておけば良いと思いますが、念のため店員さんにOSのアップデートを行っていないかどうかを確認した方が安心ですね。
あまりお金をかけられない方は中古のMacかWindowsマシンを買おう!
DAWですら高いんだからパソコンにはあまりお金をかけられない、という方もいらっしゃると思います。
ご安心ください。Macマシンは5年前くらいのモデルのものを中古で探すとかなり安くで販売されています。
年季の入った中古だからといって侮るなかれ。2011年モデルのMacなどもまだまだ現役で大活躍してくれますよ!
中古パソコンにどうしても抵抗がある方はWindowsマシンを購入すると良いでしょう。Windowsであればかなりのスペックのマシンがお手頃価格で買えてしまいますので、選択肢としては申し分ありません。
スペックはCPUがデュアルコアi5以上、メモリが16GB以上、ストレージがSSDで158GB以上で、外付けストレージも合わせて購入しておきましょう。これで十分なDTM環境が整います。
パソコン購入後の注意! OSのアップデートはすぐには行わないこと!
皆さんに合うパソコンを選び、無事に購入できた方は、最後にこれだけは注意しておいてください。
それはOSのアップデートに関して。OSのアップデートは安易に行わないようにしてください。
先にも少し触れましたが、DAWソフトたちには対応OSというものがあります。それらは日々更新され続けていますが、Apple社やMicrosoft社が新OSをリリースしない限り、それに互換させるための作業をDAWメーカーは行うことができません。
新しいOSが出てアップデートしてみたら、DAWソフトがそのOSに追いついていなくて動作不良を起こすようになった、なんて事例は沢山あります。
これはDAWに限らず、追加音源や追加プラグインについても全く同じことが言えます。
新しいバージョンのOSが出てワクワクする気持ちもわかるのですが、アップデートは自分が保有しているDAWやプラグインたちが、そのOSと問題なく互換していることが公式に発表されるまでは我慢しておきましょう。
先ほど中古のパソコンをオススメさせていただいたのはこれが理由です。ミュージシャンのなかには中古のMacしか買わないと決めている方もいらっしゃるほどですから。
PC購入後は、OSのアップデートはすぐに行わないこと。
これは必ず覚えておいてくださいね!
さて、いかがでしたか?
DAWとパソコンを選んだら今度は周辺機器の購入です。これも後々重要になってきますので、次回の更新をお楽しみにお待ちくださいね!
ではでは!
併せて読みたい!
次回の記事はこちら!
Takeshi Roove制作楽曲をSoundCloud、YouTubeにて公開中!
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