いまや楽曲制作はスマホのみでも出来ちゃう時代になりました。
皆さんが普段使っているiPhoneには、GarageBandというアプリが入っています。もし入っていなければ、App Storeにて無料でダウンロードしてください。
このGarageBand、無料ながらなかなか本格的で素晴らしいDAWアプリです。
この連載では、皆さんが自由に作曲できるレベルまでiOS版GarageBandを使いこなせるようになることを目指していきます。
最終的には、楽曲制作を経験したことがない方が、以下のような楽曲を作れるようになります。
ピアノとベース、ドラムでオケを作り、オルガンの音でボーカルラインをつけた楽曲です。
僕は楽曲の仕上げをLogic Pro Xで対応しており、GarageBandの用途はあくまで簡易的なデモ作成にとどめています。上のデモも非常にシンプルな構成ですが、GarageBandでも、作り込もうと思えばもっと煌びやかで味のある楽曲に仕上げることも可能です。
これくらいまで音楽を作れるようになると本当に楽しいです。
「次はどんな曲を作ろうかなぁ」と毎日ワクワクします。
そしてそのワクワクこそが、僕がこのサイトを立ち上げた根幹の想いにもつながってくると思っているのです。
『あなたの人生をちょっぴり楽しくする』ことができるよう、稚拙ながらも一生懸命に解説記事を連載していきますので、皆さまどうか最後までお付き合いください。
まずは入門編! DTMってなに?
GaregeBandの操作説明に入る前に、まずはDTMとはどういうものなのかを理解しましょう。
DTMとはデスクトップミュージック(Desktop Music)の略称です。デスクトップミュージックは和製英語で、英語圏の方々は日本で言うDTMのことをComputer Musicと呼んでいます。
名前だけ見ると、「パソコンを使って音楽制作をすることをDTMと呼ぶのかな」と思いがちですが、半分アタリで半分ハズレです。DTMという言葉が使われる以前から人は楽曲制作にパソコンを使用していました。楽器の演奏をパソコンでレコーディングし、それを編集する、というような使い方です。
では、いつからDTMという言葉が確立したのか。
それは、MIDIというトラックデータが楽曲制作において重要なポジションに置かれ始めたときからです。
そもそも、楽曲制作には大きく分けて2種類の方法があります。それはレコーディングと打ち込みです。
レコーディングとは、実際に楽器を演奏してもらって、それをマイクなどで録音していく手法です。かつての楽曲はすべてレコーディングで制作されていました。
ギターやベース、ドラムやボーカルなどをそれぞれのパートごとに録音し、それらをミキシングして一つの楽曲にしていきます。その際、レコーディングで収録した音声はオーディオトラックとして保存されていきます。
対して打ち込みは、マイクによる録音を必要としない制作手法です。データ上でどの音を、どこのタイミングで、どれくらいの長さで鳴らすのかを打ち込んでいき、出来上がったデータにどの楽器の音色で再生させるのかを設定します。打ち込んで作られたデータはMIDIトラックとして保存されます。
どちらも同様に音を出すためのデータなのに、どうして名称が違うの? と気になる方もいらっしゃるでしょう。良い機会なので、このオーディオトラックとMIDIトラックが全くの別物であるということをここで覚えてしまいましょう。
オーディオトラックとは、「すでに音が出ている」データです。ギターの音をマイクで録音して生成されたデータを、後からピアノの音に変えることはできません。マジシャンでもなければ不可能です。
一方のMIDIトラックは、いわば「これから音を出す」ためのデータ。あくまでレールを敷いただけです。そこにどんな音色の列車を走らせるのかを決めてはじめて、音声が流れていきます。
MIDIトラックはとても便利で、レールの上を走る列車を好きなように取り替えることができます。実際にピアノの音を流してみたけど、しっくりこないからギターの音に変える、みたいなことができてしまうのです。
この2種類のトラックを見分ける方法は至って簡単で、波形の有無で判断できます。オーディオトラックは音声なので波形が発生します。一方のMIDIデータはまだ音声ではないので波形は存在しません。
上の画像がわかりやすいかと思います。MIDIは横線の集合、オーディオは波形が表示されていると覚えてください。
話をDTMという言葉が生まれたきっかけに戻します。DTMが生まれたきっかけはMIDIトラックにあるとお伝えしましたね。
MIDIトラックは前述の通り、どのような音色にも変えることができます。ギター、ピアノ、ベース、ドラム等なんでもござれです。そのMIDIトラックは、マウスをぽちぽちするか、MIDIキーボードという特殊な鍵盤を使えば打ち込むことができてしまいます。
つまり、楽器が弾けなくとも…いえ、そもそも楽器を持っていなくとも、パソコンさえあれば楽曲制作ができるようになってしまったのです。DTMとはこうした楽曲制作の変遷に合わせて生まれた言葉だったわけですね。
さて、もっともっと皆さんにDTMについて語っていきたいのですが、これより先の説明は実際にGarageBandを操作しながら進めていきたいと思います!
次回から本格的にGarageBandの操作方法をお伝えしていきますので、お楽しみに!
それではまた!